このページで考えるテーマは20代の平均年収。
社会人デビューを遂げ、少しずつ仕事に慣れて軌道に乗ってくる20代。
「自分の年収は〇円だけど…他の人の年収はどれくらい?」
これ、ちょっと気になるところですよね。人に聞きにくい(そして自分も言いたくない!)年収のお話。ここで大公開しています!ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
20代の平均年収は?
さっそく20代の平均年収を見ていきたいと思います。
平均年収は304万円
国税庁のデータ(平成28年度分 民間給与実態統計調査)によると、20代の平均年収は304万円だそう。
「自分の方が多い!」とちょっぴり嬉しくなった人もいれば、「同じくらいなのね」と安心した人、「自分の方が少ない…」と落胆した人もいるでしょう。
ただ20代はまだまだ伸びしろが大きい世代。このあとの努力によって、年収が上がる可能性も十分にあるのですから、今の年収の多い少ないが一生を決めると思ってはいけませんよ。
平均年収の男女差について
304万円という平均年収ですが、では男女別に見るとどれくらい違うのでしょうか?
男性 | 女性 | |
---|---|---|
20~24歳 | 275万円 | 241万円 |
25~29歳 | 383万円 | 309万円 |
こちらも国税庁の同データより。
男性と女性だと20代前半で34万円の差、20代後半で74万円の差。およそ15~20%ほど女性の方が年収が少ない計算になります。
「男女平等」が声高に叫ばれている現代でも、まだまだ男性の方が年収が高いわけです。これは女性の非正規雇用(いわゆる正社員以外)が多いことや、キャリア志向の女性が男性より少ないことなどが影響を及ぼしているようです。
20代前半と後半の年収推移
20代と言っても、20代前半と後半では平均年収額が変わってきます。
DODAエージェントサービスのアンケートによる20代の年収の推移が以下。
年齢 | 男性 | 女性 | 男女平均 |
---|---|---|---|
20歳 | 308万円 | 248万円 | 277万円 |
21歳 | 310万円 | 261万円 | 286万円 |
22歳 | 293万円 | 263万円 | 279万円 |
23歳 | 305万円 | 280万円 | 293万円 |
24歳 | 333万円 | 304万円 | 320万円 |
25歳 | 357万円 | 321万円 | 342万円 |
26歳 | 376万円 | 338万円 | 360万円 |
27歳 | 393万円 | 349万円 | 376万円 |
28歳 | 408万円 | 355万円 | 388万円 |
29歳 | 425万円 | 359万円 | 402万円 |
先ほどの国税庁のデータとは別の調査によるデータなので数字は多少異なりますが、こちらもひとつの目安になると思います。
20歳から29歳までで、100万円以上年収がアップしていることがわかりますね。
20代の年収を学歴別に比較
今度は20代の年収を学歴別に見てみましょう。
ちなみに以下の数字は厚生労働省のデータ(平成29年賃金構造基本統計調査)を参考に、各学歴の賃金(1ヶ月あたり)×12ヶ月で算出しています。ひとつの目安としてご覧ください。
性別 | 年齢 | 大学・大学院卒 | 短大・高専卒 | 高校卒 |
---|---|---|---|---|
男性 | 20~24歳 | 272.4万円 | 245.0万円 | 241.2万円 |
25~29歳 | 316.7万円 | 282.7万円 | 274.8万円 | |
女性 | 20~24歳 | 264.5万円 | 241.4万円 | 220.0万円 |
25~29歳 | 293.5万円 | 266.3万円 | 232.3万円 |
データの出どころが異なるので他で紹介している数字と多少違っていますが、やはり学歴の高さに比例して年収も上がります。
20代の年収を都道府県ごとに比較
続いて都道府県ごとに年収がどれくらい変わるか、見ていきたいと思います。何となく地方都市より大都市の方が年収が高いイメージがありますが…住んでいる地域によってどれくらい年収が違うのでしょうか。
ちなみに表の数字は、国税庁のデータ(平成28年度分 民間給与実態統計調査)で全体の平均年収と20代の年収を比較し(20代の年収は全体の約72.2%)、その数字をDODAエージェントサービスのアンケート結果の都道府県別平均年収にかけ合わせて算出しています。
正確な数字ではありませんが、ひとつの目安(予想値)としてご覧いただけると幸いです。
エリア | 都道府県 | 平均年収 |
---|---|---|
北海道 | 北海道 | 268万円 |
東北 | 青森県 | 296万円 |
岩手県 | 282万円 | |
宮城県 | 276万円 | |
秋田県 | 277万円 | |
山形県 | 277万円 | |
福島県 | 277万円 | |
関東地方 | 茨城県 | 321万円 |
栃木県 | 298万円 | |
群馬県 | 291万円 | |
埼玉県 | 296万円 | |
千葉県 | 306万円 | |
東京都 | 326万円 ※最高値 | |
神奈川県 | 323万円 | |
山梨県 | 292万円 | |
北信越地方 | 新潟県 | 261万円 |
富山県 | 283万円 | |
石川県 | 280万円 | |
福井県 | 282万円 | |
長野県 | 289万円 | |
東海 | 岐阜県 | 283万円 |
静岡県 | 297万円 | |
愛知県 | 293万円 | |
三重県 | 291万円 | |
関西 | 滋賀県 | 284万円 |
京都府 | 277万円 | |
大阪府 | 284万円 | |
兵庫県 | 293万円 | |
奈良県 | 282万円 | |
和歌山県 | 269万円 | |
中国 | 鳥取県 | 279万円 |
島根県 | 266万円 | |
岡山県 | 278万円 | |
広島県 | 279万円 | |
山口県 | 285万円 | |
四国 | 徳島県 | 279万円 |
香川県 | 277万円 | |
愛媛県 | 280万円 | |
高知県 | 274万円 | |
九州 | 福岡県 | 269万円 |
佐賀県 | 261万円 | |
長崎県 | 272万円 | |
熊本県 | 271万円 | |
大分県 | 274万円 | |
宮崎県 | 269万円 | |
鹿児島県 | 266万円 | |
沖縄県 | 257万円 ※最低値 |
20代の年収を職業別に比較
年収は職業によって当然ながら異なります。20代ではどんな職業が年収高めで、どんな職業が年収低めなのでしょうか。
厚生労働省のデータ(平成29年賃金構造基本統計調査)をもとに、各産業の年収の予測額を計算してみました。こちらも賃金(1ヶ月あたり)×12ヶ月で算出しているので、目安としてご覧ください。
産業 | 性別 | 20~24歳の年収目安 | 25~29歳の年収目安 |
---|---|---|---|
建設 | 男 | 262万円 | 307万円 |
女 | 239万円 | 269万円 | |
製造 | 男 | 244万円 | 284万円 |
女 | 221万円 | 246万円 | |
情報通信 | 男 | 280万円 | 329万円 |
女 | 277万円 | 308万円 | |
運輸・郵便 | 男 | 253万円 | 291万円 |
女 | 238万円 | 263万円 | |
卸売・小売 | 男 | 251万円 | 293万円 |
女 | 239万円 | 266万円 | |
金融・保険 | 男 | 271万円 | 343万円 |
女 | 248万円 | 315万円 | |
専門技術サービス | 男 | 266万円 | 326万円 |
女 | 252万円 | 298万円 | |
宿泊・飲食 | 男 | 226万円 | 270万円 |
女 | 221万円 | 243万円 | |
生活関連サービス | 男 | 240万円 | 279万円 |
女 | 234万円 | 261万円 | |
教育・学習支援 | 男 | 267万円 | 317万円 |
女 | 246万円 | 282万円 | |
医療・福祉 | 男 | 255万円 | 307万円 |
女 | 254万円 | 282万円 | |
その他サービス | 男 | 247万円 | 276万円 |
女 | 238万円 | 248万円 |
この表を見ると目安年収が最も低いのが宿泊業や飲食サービス業ということがわかりますね。やはり技術を要する仕事になると、年収も高くなる傾向です。
一方、DODAエージェントサービスのアンケート結果によると、20代で平均年収が高い職種は以下のようです。
- 投資銀行業務:627万円
- 運用(ファンドマネージャーなど):566万円
- 戦略・経営コンサルタント:559万円
- 会計専門職・会計士:547万円
- 営業(CRO・SMO・CSO):518万円
※CRO=製薬会社から臨床開発全般業務を受託するなどの業務
※SMO=治験を行う医療機関をサポートするなどの業務
※CSO=製薬会社にMRを派遣するなどの業務
さまざまな職種の中で際立って高年収な職種になりますが、一部にはかなりの年収を得ている人がいるのも事実なのです。
20代はどれくらい貯金している?
ここまで読んで、20代の人たちがどれくらいの年収を得ているかがわかりましたが、では20代の人たちは一体どれくらい預貯金をしているのでしょうか?
年齢的に、お世辞にも年収が多いとは言えない世代ですが…そんな中でもしっかり預貯金をしている人は大勢います。その平均額は274万円。ただしこの金額は貯金をしているという人だけの平均額です。
ここに貯金ゼロという人の数字を加えると、平均額は102万円。かなり下がってしまいます。
20代の人のうち、しっかり貯金をしている人と貯金ゼロという人の二極化が進んでいるようで、実際に20代で金融資産(貯金や株、生命保険などを含めた資産)を持っていないという人の割合は実に62.6%と、半数以上が貯金をしていないというデータが出ているのです。
20代の年収を上げる&下げないコツ
誰だって年収を上げたいと思っていますし、年収を今より下げたくないと思っていますよね?
そこでここからは20代で年収を上げる、もしくは下げないコツを紹介します。
転職を検討する
年収を上げようと思ったとき、誰もが思いつくことですが、転職を検討するという方法があります。
転職活動をする際、目先の月収ばかりに目が行ってしまう人がいますが、ぜひ昇給するか?賞与はあるのか?を確認するようにしてください。
昇給や賞与がないと、将来的に年収を上げていくことがなかなかできません。またどんな手当があるか?なども確認することをおすすめします。定額昇給する給与体系を取り入れている企業もあるので、そういった企業なら安心感がありますね。
また社会的なニーズがあまり少ない職種や、アルバイトでもできるような仕事は避けておくべきでしょう。こういった仕事はあまり昇給が期待できません。
20代は30代以降に比べて転職がしやすく、大きなチャンスがあるので、転職を少しでも考えたら、実際に転職活動をしてみるべき。内定がもらえた会社に絶対に転職しなくてはならないといったことはなく、辞退も可能なのですから、思い切って転職活動してみることをおすすめします。
結婚や出産をきっかけに仕事を辞めない
女性の場合、結婚や出産を理由に仕事を辞めてしまうのは年収の観点ではマイナスです。
もちろん働きながら乳幼児を育てるのは並大抵のことではなく、苦労もストレスも付きまとうと思いますが、一旦仕事を辞めてしまうと再就職がかなり難しくなってきます。
年収を下げたくなければ、育児休暇制度や時短勤務などの制度をうまく活用しながら、ぜひ仕事を続けていただきたいと思います。
専門的なスキルを身につける
専門的なスキルを身に着けるのも、年収アップに繋がります。
資格取得手当のある会社もあり、専門の資格を取得することで単純に月収がアップするシステムを採用しているのであれば、年収を上げやすいですね。
資格取得はそれなりの苦労が伴いますが、そのぶん成長にも繋がりますから、年収アップを狙うならぜひ積極的に挑戦しましょう。
中には社内の育成体制が整っていて、効率的に専門スキルを身につけることができたり、資格取得ができたりする会社もあるので、転職の際はそういった企業を選ぶのもおすすめです。
このページのまとめ
20代の平均年収。あなたはどんな風に感じたでしょうか。
「会社が好きだから」「仕事にやりがいを感じているから」…こんなキレイごとだけでは働けませんから、やっぱり年収アップも狙っていきたいですよね。
20代は大きな可能性を秘めた世代。ぜひ今の年収が平均年収より多くても少なくても悲観せず、前向きに仕事と向き合ってほしいです!