就職・転職に役立つスキルを身につけることができる職業訓練。
何となく手に職をつける訓練だというイメージを持っている人が多いようですが…実際にどんな訓練を受けることができ、どんなメリットがあるのでしょうか?またどんな人を対象に開催されているのでしょうか?
このページでは職業訓練にまつわるたくさんの情報を、それぞれ分かりやすく解説しています。実際に調べてみるとなかなか複雑で分かりにくい部分も多い職業訓練。ぜひここで理解を深めていっていただければと思います!
目次
職業訓練とは?
まずは職業訓練がどんなものなのか説明していきましょう。
ちなみに現在、職業訓練(公的職業訓練)は別名「ハロートレーニング」とも呼ばれています。ハロートレーニングと言われると、何となくですが堅苦しさが緩和されますよね。
年間約30万人もの人が受講すると言われている職業訓練は、具体的にどんな訓練なのでしょうか?
ハローワーク経由でしか受けられない訓練
職業訓練はハローワーク(公共職業安定所)経由で受講することができる訓練のこと。と言うより…ハローワークを経由しない限り職業訓練を受けることはできません。
職業訓練にもいろいろなコース(科)があり、基本的に無料で受講できますが、中には有料の訓練もあります。またテキスト代は自己負担になるので、全くのコストゼロで受講するというわけにはいきません。
職業訓練は離職者(求職者)のみを対象とした訓練だと思っている人も多いようですが、実は在職中の人を対象にした訓練もあるので、一概に仕事をしていない人だけが受講する訓練とは言えないんです。
しかしながら、やはり失業中の人の就職活動をサポートするという側面が強いのも事実。以下のような人なら職業訓練が役に立つと思います。
- 失業保険を受給している人
- 求職活動がうまくいかず仕事が決まらない人
- スキルアップして別の業界にチャレンジしたい人
- 短期間で離職したことでスキルが足りない人
- 基礎的なビジネススキルが不足している人
失業保険…正しくは雇用保険の失業給付のことですが、この失業保険を受給している人に職業訓練がおすすめできる理由については、このあと詳しく説明したいと思います。
雇用保険をもらいながら訓練が受けられる
失業保険(雇用保険の失業給付)を受給しながら職業訓練を受けることができます。
失業保険を受給しながら職業訓練を受けるメリットが以下。
- 失業保険の受給期間が延長になる
- 失業保険の制限期間がなくなる
- 失業保険給付の手続きが楽になる
受講中、失業保険は基本手当として満額受給することができるのは助かりますよね。さらに職業訓練受講中に失業保険の受給期間が終わった場合も、訓練が終わるまで延長で支給されるのはかなり大きなメリットでしょう。
また自己都合で退職した場合、3ヶ月の給付制限を置いてから失業保険の給付がスタートするわけですが、職業訓練を受講する場合はこの給付制限が解除され、すぐに支給してもらえます。
また職業訓練受講中は、毎月の失業保険受給手続きを訓練校が一括で行ってくれるので、単純にハローワークに出向く回数が減るのです。
職業訓練の最終目的について
職業訓練の最終目的は、言わずもがな「就職すること」です。
例えば民間のスクールであれば、通う目的は知識やスキルを身につけることであって、必ずしも就職に繋げる必要性はありません。
しかし職業訓練は就職に繋げるための訓練なので、ただただスキルを身につけたいという目的で受講するのはNGです。
職業訓練の種類について
一口に「職業訓練」と言っても、いろいろな種類があり、対象者などが異なります。
職業訓練の種類について、詳しく見ていきたいと思います。
職業訓練の分類 | 訓練の種類 | 訓練期間目安 | 受講料 |
---|---|---|---|
公共職業訓練 | 離職者訓練 | 3ヶ月~1年 | 無料 ※一部有料あり ※教科書代は負担 |
学卒者訓練 | 1~2年 | 有料 | |
在職者訓練 | 2~5日 | 有料 | |
求職者支援訓練 | 2~6ヶ月 | 無料 ※教科書代は負担 |
上記のほかにも「障害者訓練」「生産性向上支援訓練」といった職業訓練もあります。
離職者訓練(公共職業訓練)
離職者(求職者)のうち、失業保険(雇用保険の失業給付)を受給している人を対象としているのが、公共職業訓練のうち「離職者訓練」と呼ばれる訓練です。
もちろんこちらは自己都合で退職した人が、支給制限中(3ヶ月)につき失業保険をまだもらっていないタイミングでも受講することができます。
受講の期間は3ヶ月くらいのコースから長期の訓練になると1年。テキスト代などは受講者負担になりますが、受講料は基本的に無料です。
受講手当や交通費(通諸手当)の支給がありますし(条件あり)、受講が修了するまで失業保険の支給が延長されたり、自己都合で退職した場合の制限期間が解除になったりするメリットがあります。
失業保険を受給していない人の職業訓練
失業保険を受給していない人を対象としている職業訓練がこちらです。
求職者支援訓練
「求職者支援訓練」も離職者を対象としている職業訓練ですが、こちらは離職者のうち失業保険の給付を受けていない人を対象とした職業訓練になります。
どんな人が該当するかというと、例えば雇用されていたときに雇用保険に加入していなかったり、加入していたものの加入期間が足りなかったり、また失業保険の給付期間がすでに終了している場合などです。
こちらは主に民間企業が実施している職業訓練で、離職者訓練(失業保険受給中の人対象)と同じように基本的に無料で受講することができます。
ちなみにこの離職者支援訓練については、失業保険を受給していないという条件だけでなく「ハローワークに求職申し込みをしている人」「就職する意欲がある人」「職業訓練が必要だとハローワークに認められた」という条件を満たしていなければ、受講することはできません。
学卒者訓練(公共職業訓練)
この「学卒者訓練」というのは、公共職業訓練のひとつです。
中学校・高校を卒業した人を対象に実施されている職業訓練で、期間は1~2年と長期です。学卒者訓練の受講は有料になり、数十万円の入学金や授業料が必要になります。
また学習内容によって普通課程・専門課程・応用課程と区分されていれ、それぞれ対象者が異なります。
- 普通課程:中学・高校卒業者
- 専門課程:高校卒業者
- 応用家庭:専門課程修了者
在職者訓練(公共職業訓練)
「在職者訓練(キャリアアップ講座)」は読んで字のごとく在職者を対象とした職業訓練で、こちらも公共職業訓練のひとつになります。
在職者訓練も有料で、コースによって1,000~7,000円程度の受講料が必要。受講期間も2~5日ほどと短期間です。
職業訓練校はどんなところ?
職業訓練校は、いわば専門学校のようなところ。専門免許を取得している、もしくは一定の条件をクリアした指導員が在籍し、指導をしてくれます。
基本的に授業は土日祝を除く毎日(夏休みや冬休みが設けられる場合もあり)。訓練校や受講コースによって訓練時間は異なりますが、9時半~16時半(うち休憩1時間)というよな時間帯で訓練を受けることになります(在職者訓練の場合は遅い時間の開講コースもあり)。
職業訓練校と言っても、実はいろいろな種類があります。施設によって運営元が国や都道府県(もしくは市町村)だったり、機構(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)だったりしますが、これらをひっくるめて「職業訓練校」と言っています。
- 職業能力開発校
- 職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ)
- 職業能力開発大学校(ポリテクカレッジ)
- 職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)
またこの他にも民間の教育訓練機関に委託し、開講している職業訓練も。
公共職業訓練(離職者訓練・学卒者訓練・在職者訓練)は、国や都道府県が運営している訓練校もしくは民間委託訓練校でスキルアップを目指しますが、求職者支援訓練の場合は民間委託の訓練校に通うことになります。
どんな訓練を受けたいかによって、当然ながら適切な職業訓練校は変わってくるので、住んでいる地域のハローワークに相談してみてくださいね。
職業訓練の具体的な訓練内容
では職業訓練では一体どんな訓練を受けることができるのでしょうか?どんなスキルを身につけることができるのでしょうか。
主な職業訓練のコース
現在、かなりたくさんの種類の職業訓練が開講されています。以下はその中のほんの一例。
分類 | コース(科)一例 |
---|---|
機械 | 機械加工 |
板金溶接 | |
建築・造園 | インテリアサービス |
造園土木施工 | |
マンション改修施工 | |
電気 | 電気工事 |
セキュリティサービス | |
塗装・印刷 | 自動車塗装 |
グラフィック印刷 | |
情報 | パソコン基礎 |
プログラミング | |
WEBデザイン | |
事務 | 経理・財務 |
医療事務 | |
福祉・介護 | 保育士 |
介護士(介護サービス) | |
その他 | 調理 |
ビルクリーニング管理 | |
ホテル・レストランサービス |
事務系からものづくり系までいろいろな訓練コースがありますが、注意したいのは公共職業訓練(離職者訓練・学卒者訓練・在職者訓練)なのか?求職者支援訓練なのか?によって選べるコース(科)が異なる点。
例えば現時点で、公共職業訓練にネイリストやエステティシャンといった美容系のコースはありませんが、求職者支援訓練にはさまざまな美容系のコースがあります。
これはごく一例ですが、職業訓練を少しでも検討し始めたら、厚生労働省の「公共職業訓練のコース検索」もしくは高齢・障害・求職者雇用支援機構の「求職者支援訓練コース検索」で調べてみるといいですよ。
地域によって、またコースを探すタイミングによって、選択できるコースが変わってくるので、いつでも思い通りに好きなコースが選べるというわけではないのは頭に入れておくべきでしょう。
職業訓練で取得できる資格
職業訓練を受けることで、受講したコースに関わる資格を取得することができます。
例えば東京都が運営している職業訓練のうち「OAシステム開発科」「ネットワークプログラミング科」「Web設計科」といった情報(IT)系のコースであれば、訓練修了時に実施されるテストに合格することで、『技能士補』という資格が取得できます。
また求職者支援訓練の「介護職員初任者研修科」を受講すると、『介護職員初任者研修終了』の資格が取得できます。
スキルが身についた証とも言える資格取得。就職活動においてアピール材料になるはずです。
職業訓練受講中にもらえる給付金・手当
職業訓練を受講するあいだ、一定条件を満たしている人は給付金がもらえたり手当が出たりします。
大切なお金の話ですから、しっかり確認しておきましょう!
基本手当(失業保険)
ここで言う「基本手当」というのは、失業保険(雇用保険の失業手当)のこと。
失業保険の受給資格を持つ人であれば、職業訓練を受講している間もずっと、失業保険を毎月満額受け取ることができます。
またもし受講期間中に失業保険の受給期間が終わってしまうような場合も、受講終了まで支給期間が延長されるので、お金についての心配が少ないと思います。
通所手当(交通費)
通所手当というのは、訓練校に通う交通費のことです。
通所手当が支給されるのは公共職業訓練の「離職者訓練」や、求職者支援訓練を受ける人のうち一定条件を満たす人。
例えば離職者訓練の場合、職業訓練校まで片道2km以上の距離であれば交通費が支給されます。上限が42,500万円までというルールがありますが、交通費が全額支給されるのはありがたいですよね。
受講手当
これは離職者訓練(公共職業訓練)を受講する場合ですが、受講手当として最大40日間、1日につき500円が支給されます。
これは教科書の購入補助費として支給されるものですが、最大で40日×500円=20,000円が支給してもらえるので、実質教科書代の負担もなしで職業訓練が受けられるということになります。
職業訓練受講給付金
職業訓練受講給付金は、失業保険(雇用保険の失業給付)が受給できない人を支援するための「求職者支援制度」によって支給される給付金です。
求職者支援訓練(失業保険を受給していない人が受ける訓練)を受講している人のうち、「本人収入が月8万円以下」「世帯収入が月25万円以下」「世帯の金融資産が300万円以下」など、複数の条件を全て満たす人が支給対象になります。
支給額は月額10万円と、なかなか大きな金額がもらえます。通所手当として交通費も支給されますし、もし訓練を受けるために同居していた家族と離れて生活するような場合には、寄宿手当として月額10,700円が支給されます(ただし寄宿手当を支給されるケースはほとんどなし)。
返済不要なので将来的に負担になることはありません。ですから条件に当てはまる人はぜひハローワークで相談してみましょう。ただしこの給付金は早期の就職をサポートするためのお金ですから、前向きに求職活動に取り組むことが必須です。
職業訓練を受講するまでの流れ
ここからは職業訓練を受講するまでの流れについて解説していきます。
基本的にすべてハローワークを通じて行うことになりますよ。
STEP1:ハローワークで説明を受ける
まずはハローワークに行くところから。地域によって、また相談するタイミングによって受講できる職業訓練が変わってくるので、どんなコース(科)があるのか?自分の求職活動に活かせる訓練は何か?などを確認しましょう。
就職を希望している職種に役立つ職業訓練はどういったものなのか?教えてもらうこともできます。
STEP2:訓練校とコースを選択する
ハローワークで受けた説明やパンフレットなどを確認しながら、自分が実際にどのコースを受けたいのか絞っていきます。迷ったときはハローワークの担当が相談に乗ってくれるのでぜひ活用していただきたいと思います。
STEP3:訓練校の説明会・見学会に参加する
職業訓練校では定期定期に説明会や見学会を開催しています。受講したい訓練校&コース(科)が決まったら、ぜひこの説明会や見学会に参加しましょう。参加したからといって合格率が上がるというわけではありませんし、参加しなければ合格しないというわけでもありませんが、訓練校にやる気をアピールできたり、また訓練校の雰囲気などを知るチャンスになります。
STEP4:受講申込
受講すると決めたら、あとはハローワークで申し込みをします。申し込みの際は、訓練受講申込書に必要事項を記入します。ここで氏名や生年月日だけでなく志望動機も記載していくのですが、受講申込書の記入項目の中で唯一自己アピールできるのが志望動機なので、ぜひじっくり考えて記入しましょう。
STEP5:選考試験
申し込みが終わったら、あとは指定日に選考試験を受けるだけ。
試験は書類(受講申込書)だけで行われる場合もありますが、ほとんどの場合は面接、もしくは面接+筆記試験があるので、ある程度の準備&対策が必要になってきます。
STEP6:入校手続き
選考を通過したら入校の手続きをしましょう。
この手続きもハローワークで行います。期間中に手続きをしないと合格がキャンセルになってしまうこともあるので、なるべく早め早めに手続きを進めてください。
職業訓練の選考(面接・筆記試験)について
職業訓練は希望すれば誰でも受講できると思っている人がいるようですが、選考試験があり、落ちることも少なくありません。
インターネット上で調べてみると、実際に職業訓練の選考に落ちたといった声が多数見つかるので、事前にしっかりと対策を取ることが重要になります。
申込書の書き方や志望動機の内容
職業訓練の受講申込書の内容も選考に大きく関わってきます。
受講申込書を甘く考えてはいけません。就職の際の履歴書や職務経歴書同様、キレイに記入して提出するのは当たり前。
また特に志望理由についてはじっくりと考えて記入しましょう。ポイントは訓練がどのように就職に役立つのか?訓練がなぜ必要なのか?を明確にすること。そして訓練に対してはもちろん、就職活動に対しても前向きであることが非常に重要になってきます。
この受講申込書の内容で落とされることもあるので、慎重に作成するようにしてくださいね。
筆記試験の試験問題
選考の際、面接以外に筆記試験が行われる場合があります。その場合は基本的に筆記試験→面接という流れに。
筆記試験は高校卒業程度の問題が出題されることが多いようですが、昔のことですから思っている以上に忘れていることが多いので、少し勉強しておくことをおすすめします。
多いのが漢字の読み書きや計算問題。筆記試験より面接の方が重視されているという説もありますが、それでもできるだけ良い成績を出しておくに越したことはありません。
面接で質問される内容や当日の服装
職業訓練の面接はだいたい1人あたり10分程度です。
「前職を辞めた理由」「現在の求職活動の状況」「訓練を志望した理由」などが質問されるので、ぜひ想定しうる質問の回答を考えておきましょう。
当日の服装に規定はありませんし、受講者の声を見るとデニムなどカジュアルな服装で来る人もいるようですが、やはり迷っているのであればスーツで行くのが無難です。
スーツがない人も、せめて仕事場に行けるようなフォーマルな服装にしましょう。アクセサリーなども華美でなく小さいものを少しだけ。もちろん清潔感もかなり大切です。
職業訓練のメリット&デメリット
職業訓練を受けようか迷っている人も大勢いると思うので、ここで職業訓練のメリットとデメリットを見て行きたいと思います。
職業訓練のメリット
職業訓練を受けるメリットは複数あります。
お金をもらいながらスキルを身につけることができる
失業保険(雇用保険の失業給付)を受給している間に職業訓練を受講すれば、ある程度の経済的余裕をもってスキルを身につけることができます。
何度もお話ししていますが、失業保険の給付期間が延長される場合もあるので、通常より多くお金をもらえる可能性があります。
また自己都合で退職した人も、3ヶ月の給付制限が解除されるので、すぐにまとまった金額をもらいつつ訓練を受けることができるのです。
失業保険を受給していない人も、条件を満たしていれば職業訓練受講給付金が支給されるので、生活費の心配が軽減されますね。
さらに職業訓練を受講している間、受講手当がもらえたり通所手当がもらえたりと、多少なりともサポートしてもらえるのは利点のひとつだと言えるでしょう。
失業保険の給付手続きが楽になる
職業訓練を受講しない場合、毎月ハローワークに出向いて失業保険を受給するための手続を行う必要がありますが。職業訓練を受けているあいだは訓練校が一括で手続きしてくれるので、ハローワークに足を運ぶ回数が少なくて済みます。
毎日のことではありませんが、いちいちハローワークに定期的に通うのは手間ですからこれもメリットのひとつですね。
就職活動の幅が広がる
スキルが何もない状態だと、就職活動において応募できる企業の数も限られてしまいます。
しかし職業訓練で専門的なスキルを身につけることができれば、それをアピール材料にしてこれまでより幅広い求職活動ができることでしょう。
また実際に通学してみると、同じ受講生の中には求職活動に関する情報を持っていたり、指導員が有益な情報を教えてくれたりすることもあるのです。
相手にとっては何気ない会話かもしれませんが、自分にとってはかなり魅力的な話が聞けることも少なくないので、これもメリットのひとつと言えるはずです。
規則的な生活が送れる
離職中はどうしても生活が乱れがち。もちろん自分で気を付けて規則正しい生活を送ることはできますが、在職中のように決まった時間に起床して決まった時間に出社して…といった生活ではなくなるので、そこで生活リズムが崩れる人も多いのです。
しかし職業訓練に通うとなれば、在職中と同じように規則正しい生活が送れるはず。
いざ就職が決まったとき、これがかなり重要になってきます。実際に仕事を再開したとき乱れた生活リズムを立て直すまで辛い思いをする人は多いので、ぜひこういった一面も職業訓練のメリットとして頭に入れておいてくださいね。
孤独感が緩和される
求職活動中は基本的に孤独感を感じやすいもの。特になかなか就職先が決まらず求職活動が長期化すると、メンタルへのダメージも大きくなります。
しかし職業訓練で同じような境遇の受講生と交流することで、その孤独感は多少なりとも緩和されることでしょう。
また同じコース(科)を受講している同士、ライバル心を持ち切磋琢磨していけるのもメリットですね。実際に職業訓練校を修了したあとも交流を続けているという人は少なくありません。
職業訓練のデメリット
つづいて職業訓練のデメリットです。
申し込みから受講まで時間がかかる
職業訓練はすぐに受けたくても思うようにはいきません。
申し込みをしてから選考→合格→受講開始まで数ヶ月かかることもあるので、できるだけ早くスキルを身につけたい!と思う人にとって、かなりもどかしいものがあるでしょう。
またタイミングによっては申し込み期間外で受講自体できないコース(科)もあるので、そのあたりも頭にいれておく必要があるでしょう。
お金に困る場合がある
いろいろな手当や給付金がありますが、やはり仕事をしているときよりもらえるお金は少なくなります。
失業保険は前職の給料の2/3の金額しかもらえませんから、例えば前職の月収が多い人ならさほど問題ないかもしれませんが、そうでない人はかなり生活が苦しくなるはす。
訓練中のアルバイトは絶対NGというわけではありませんが、アルバイトの収入や就業時間などにおいて細かい規定があるので、それに反してアルバイトをすることは原則不可です。
訓練校によって身につくスキルが左右される
訓練校による質の違いという問題があります。
基本的には自宅から近い訓練校が案内されますが、訓練校の指導員のレベルが低い場合、せっかく大切な時間を割いて訓練を受けても、現場で使えるようなスキルが身につかない場合もあります。
特に民間委託の職業訓練は訓練校による差が大きいので、だからこそ説明会や見学会を有効活用して、自分が納得して通える訓練校なのかを判断するべきでしょう。
職業訓練の受講は履歴書に書ける?
最後に職業訓練を受講したあと、多くの人が迷う履歴書の書き方について解説します。
職業訓練を受講しした経験は履歴書に書いていいのか?書いて良ければどの欄に書くのか?というのが大きな問題だと思います。
まず履歴書に職業訓練を受講したことを記入するのは全く問題ありません。むしろ記入をしておかないと、空白の期間(ブランク)が長いと判断されてあまり良い印象が残りません。職業訓練の経験を記入することで、空白期間の理由づけになるので、しっかりと記入しましょう。
記入するのは学歴の欄ではなく、基本的には職歴の欄になります。職歴に「職業訓練〇〇校 入校」というように記載し、学んだことも併せて書きます。さらに志望動機やPR欄にも、どんなスキルを身につけ仕事にどう活かせるのか、きちんと書いておきましょう。
このページのまとめ
少々長くなってしまいましたが、このページを読むことで職業訓練についての理解を深めていただけだのではないでしょうか。
厚生労働省やハローワークのホームページを見ても、正直なところ何やら難しく記載されていることが多いので悩むことやわからない部分が出てくるかもしれません。
困ったとき手っ取り早いのはハローワークに相談すること。住んでいる地域によって、また受講を検討しているタイミングによって、選択できる職業訓練はまちまちなので、ハローワークで相談するのが近道です。
また受講申込から開講まで数ヶ月かかることもあるので、少しでも受講を検討したらハローワークで相談してみましょう。もちろんこのページの内容も参考にしてくださいね!