ここでは職業訓練の面接をテーマに、面接で聞かれる質問やその回答例、面接に受かるコツなどを詳しくまとめています。
職業訓練を受けて専門スキルを身につけ、何とか一歩前進したい!そう思う人も多いでしょうが…職業訓練には面接があるんですよね。
人気のコースだと倍率はかなり高め。ですからまず面接を無事に通過しなければ、訓練を受けるという土俵に乗ることすらできないのです。
ここで紹介している各項目をしっかりと確認して、ぜひ面接を突破しましょう!
目次
職業訓練の面接で面接官が見るところは?
職業訓練の面接において、面接官はあなたのどんなところを見ていると思いますか?
チェックしているポイントは主に3つ。
- 就職する意欲があるか?
- 企業の面接に受かりそうな人物か?
- 訓練に対してやる気があるか?
職業訓練の目指すところは、「就職すること」。訓練によってスキルを身につけ、最終的に就職させることが目的になります。
ただの慈善活動で訓練を受けさせるわけではないので、就職する意欲があることは大前提。また企業の面接に受かりそうな人物かどうかも重視されます。
さらに職業訓練の受講期間は短いコースで2~3ヶ月、長いコースだと1~2年ほど学校に通うことになりますから、ちゃんと最後まで通える意欲的な人でなければいけません。同時に集団生活になるので集団の中で問題なく学べるかといった強調性もチェックされます。
職業訓練の面接で受かりやすい人・落ちる人
職業訓練の面接に受かりやすい人がいる一方で、残念ながら落とされる・落とされやすい人がいます。
受かりやすい人・落とされやすい人の特徴をしっかりと理解して、傾向と対策を立てていきましょう。
受かりやすい人
受かりやすい人は先ほども触れましたが、「働く意欲がある人」、「企業の面接に受かりそうな人」、そして「最後まで訓練を受けられそうな人」です。
また面接の際の最低限のマナーがきちんとしているかどうかも重要に。ページの後半で、面接にふさわしい服装や髪型などについて紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
落ちやすい人
落ちやすい人は、単純に受かりやすい人の逆ですね。
働く意欲が感じられない、企業の面接に受かりそうもない、訓練の途中で挫折してしまいそう…こういった人は落とされてしまいます。
もうひとつ。「すでにたくさんの資格を所有している人」「これまでにしっかりキャリアを積んでいる人」も、実は落とされやすいんです。
職業訓練はスキルを持たない人を訓練して何とか就職させるという目的がありますから、訓練が不要と思われる人ははじかれてしまいます。
たくさんの資格を持っていたり、華々しい職歴を持っている人は、そうでない人より就職しやすいと考えられるため、「特別に支援をする必要はない」と判断されて落とされてしまうのです。
職業訓練のコストは全て税金でまかなわれているのですから、これも当然の話ですよね。
ちなみに少し話がずれますが、面接の前には筆記試験があるので(コースによって実施しない場合もあり)、そちらである程度の点数が取れなければいくら面接がうまくいっても落ちてしまいます。ただ…一説によると筆記試験より面接の方が重視されているとのことです。
職業訓練の面接で聞かれることと回答例
気になるのが職業訓練の面接でよく聞かれる質問。回答例と併せて確認してみましょう。
職業訓練を志望する理由
「どうして職業訓練を受けようと思ったのですか?」
「この訓練を志望する理由を聞かせてください。」
この質問に対して、ただ「興味がある訓練だったから」といった回答は避けましょう。
回答例としては「自分が興味を持った職種の求人票を見ると、いずれも〇〇のスキルが必要でした。スキルを身につけることで、企業に対するアピールができると考え志望しました。」「希望している職種があるのですが、調べてみると〇〇のスキルが武器になるということが分かったので訓練を志望しました。スキルを身につけて必ず就職したいです。」など。
最終目標は「就職すること」なので、それを成し遂げるために訓練が必要であることを、しっかりとアピールすることが重要です。
前職を退職した理由
「前職を退職した理由を教えてください。」
「なぜその仕事を辞めたのですか?」
この質問に対して「やりたい職種が見つかったから」「経験を活かして新しい業界で頑張りたい」などポジティブな理由が言えるのがいいのかもしれませんが、ほとんどの人はネガティブな理由が多いと思います。
キツい労働条件だったり人間関係のトラブルだったり…中にはパワハラやセクハラを理由に退職した人もいるかもしれませんね。
ただ前職の不満ばかりを言う人は、面接官が抱く印象も良くありません。
例えば激務で体調を崩して退職した場合であれば「仕事は好きだったのですが、残業が月〇時間と非常に多かったため、体力的に厳しく将来的に続かないと思い、家族と相談して退職いたしました。」など、仕事に対する前向きな点も話すといいでしょう。
面接官だって過去何人も面接をしてきているわけですから、そういった事情は十分把握しています。ですから変に嘘をつく必要はありません。退職理由が次の就職にどう活かせるか?仕事への意欲はどれくらいあるか?が大切になるので、事前によく考えておきましょう。
ちなみに倒産によって仕事を失ったという理由は素直に話して全く問題ありません。
これまでの求職活動
「今までどんな求職活動をしてきましたか?」
「現在までの求職活動の状況を教えてください。」
この質問に対しては、素直に答えれば問題ありません。何かしらの事情で求職活動を進めていない人も誤魔化す必要はありませんが、その事情をしっかりと話すようにしましょう。
また必ず併せて今後どんな風に求職活動に取り組んでいきたいか、前向きな考えを伝えましょう。もちろん求職活動をするのが面倒だった、といった理由は絶対に不可。そんな人が「頑張ります」なんて言っても信じてはもらえません。
「求人サイトやハローワークなどで情報収集をして、気になる求人はいくつか見つかったのですが、自分が応募条件や必要なスキルを満たしていなかったため応募することができませんでした。そのスキルを職業訓練で身につけたいと考えています。」といった、訓練に繋がる話をしてもいいかもしれませんね。
職業訓練中の就職・転職活動
「職業訓練中も求職活動をしますか?」
「職業訓練が始まったら求職活動はどうされますか?」
これの回答例は「職業訓練中も求職活動は引き続き行っていきます。良い求人があれば応募したいと思っています。」といった、就職に前向きなもの。
一方NGワードは「職業訓練に集中したいので求職活動は一旦ストップします。」といった答え。
職業訓練の最終目的は「就職すること」で、訓練は全て就職活動を有利にするために行うものですから、それを見失って就職率を下げるような発言をするのは絶対にNGです。
すぐに就職できるか
「訓練終了後すぐに就職できますか?」
「採用が決まったらすぐに働けますか?」
これは「YES」一択です。
しつこいようですが職業訓練が目指すところは「就職すること」。ですからとにかくすぐに仕事をする意欲があることを、しっかりとアピールしなくてはいけません。
もちろん職業訓練中に採用が決まった場合は訓練を終了して就職するということも伝えておきましょう。
経歴・職歴
「職歴を教えてください。」
「転職が多いようですがその理由は?」
この質問に対しても素直に答えればOK。
ただし転職回数が多い人については、その理由を聞かれたときのために、事前にどう回答するか考えておく必要があるでしょう。
「スキルアップのために転職が必要だった」「どうしてもその業界にチャレンジしたかった」など前向きな答えを用意しておくこと。また転職先の選択にミスがあったと思っているなら、素直にそれを認め、反省していると伝えてもいいでしょう。
応募した訓練で何を学びたいか
「このコースでどんなことを学びたいですか?」
「志望した訓練ではどんなことを学ぶかご存知ですか?」
例えばプログラミングのコースなら、「主にJAVAプログラミングの言語や、データベースなどを使用した業務に携わるスキルを学ぶコースです。私は現代社会で非常にニーズの高いIT業界で就職するためこちらのコースを志望しています。」といった話ができれば良いでしょう。
自分からそのコースを志望して面接を受けているわけですからそのコースの内容や習得できるスキルくらいは事前に勉強しておくべきですね。
最後まで通い続けられるか
「この訓練は〇ヶ月のコースですが続けられますか?」
「毎日訓練に通うことができますか?」
この答えは単純明快。しっかりと毎日通えると伝えましょう。
「もしかすると遅刻をしてしまうことがあるかも…」「時には体調不良で休むかもしれませんが…」といったマイナスの内容を答える必要はありません。
他の訓練生と仲良くやっていけるか
「他の人とのコミュニケーションで不安はありませんか?」
「いろいろな年代の人がいますが、うまくやっていけますか?」
これも迷わず「YES」です。加えて「今までも職場にはいろいろな年代の方がいましたが、トラブルなく働いてきました。さまざまな年齢層の人がいることで刺激をもらえますし、複数の人と学ぶことで切磋琢磨して高め合えると思っています。」といった、前向きな姿勢を見せることもポイント。
面接全体を通してトラブルなく訓練を受けることができる人物かという協調性の部分は見られていますが、こういった質問の際にもコミュニケーションについてアピールしておきましょう。
自己PR
「最後に自己PRをお願いいたします。」
「1分程度で自己PRをしてください。」
こういった質問では、「頑張ります」というだけでは当たり前すぎて印象はあまり良くありません。
職業訓練にどんな姿勢で臨むのか?に加え、スキルを習得したあとは必ず就職したい!という強い意志をアピールしましょう。
この自己PRをその場で考えるのはかなり難しいと思います。1分間など時間制限があるとなおの事。ぜひ事前にしっかりとアピールポイントを考えて、しっかり伝えられるようにしましょう。
職業訓練の面接に受かるコツ
面接の質問内容と回答例を紹介してきましたが、ここで面接を通過するためのコツについて開設したいと思います。
説明会に参加する
職業訓練校の説明会が定期的に開催されているので、その説明会に参加しましょう。
説明会に参加した方が面接が有利になるといったことはありませんが、やはりどんなところで学ぶのか?具体的にどんな内容の訓練なのか?事前にわかっているのはメリットです。
志望動機も書きやすくなると思うので、ぜひ可能であれば説明会に参加しましょう。
ある程度の情報を事前に収集する
職業訓練を実施しているハローワークで質問すれば、職業訓練についてある程度詳しく教えてくれます。
どんなコースがあり、それぞれ定員が何名くらいなのか?は、知っておきたい情報ですよね。例えばいくつかのコースで迷っている場合、応募人数が少ないコースの方が当然受かる可能性が高まります。
情報収集しておけば、面接の対策もしやすいですね。基本的に応募状況も親切に教えてくれるので、ぜひここは外さずに実行していただきたいと思います。
面接の練習をする
面接に慣れている人はそれほど多くありません。
ですから想定される質問とその回答を用意して、面接をシミュレーションしてみましょう。
家族や友だちが協力してくれるなら、面接官役になってもらって、できるだけ本番に近い状態で面接の練習をしてみてください。
その際はキョロキョロせずに面接官の目を見て話すこと、早口になりすぎないようにすることなど、ポイントを押さえておきます。この面接の練習をしておくのとしないのでは全く違うと思います。過剰に緊張しないためにも、ぜひ練習をしてから臨むようにしてくださくぃいね。
筆記試験の勉強をする
これは面接に関するコツではありませんが、職業訓練の面接と併せて行われることがある(基本的には面接の前)筆記試験の勉強もしておきましょう。
問題は小中学校などで学んだ程度のものですが、学校で学んでからずいぶんと時間が経っていますし、時間制限のある中ぶっつけ本番でチャレンジするのは、かなり難しいはず。
正式な過去問は販売されてはいませんが、いくつかの職業訓練校のホームぺージに掲載してある過去問や見本問題を都道府県別に下記の記事にまとめましたので、ぜひ試験対策に役立ててみてください。
職業訓練の面接の流れ
気になる職業訓練の面接の流れについてご紹介します。
- 受付&注意事項の説明
- 筆記試験(適正テスト)/30分程度
- 面接/1人あたり10分程度
受付時間は9:00~10:00くらいに設定されることが多いようですね。
筆記試験がある場合は30分程度のテストを面接の前に行います。
その後順番に面接を受けることになるのですが、そのあとは順次解散に。結果はハローワークのホームページや郵送で確認できます。
職業訓練の面接に行くときの服装&髪型
職業訓練の面接に行くとき、どんな服装で行けばいいのか悩む人も多いようですが、基本的には企業で就職の面接を受けるのと同じくスーツで行くのがベストです。
服装について明確な規定はありませんが、やはり少しでも印象を良くしておきたいところですから、清潔感があり真面目に見せるスーツが無難だと思います。
もしスーツがない場合も、清潔感があり職場に着用していけるようなフォーマルな私服を選択しておきましょう。
志望するコースによってはカジュアルな服装の人もいるようですが、当日に後悔するようならスーツを選択しておきたいですね。
髪型も服装同様、落ち着いたものをおすすめします。髪を染めていてもダメというわけではありませんが、やはり落ち着いていて真面目な印象が持てる色合いにすべきでしょう。
アクセサリーについても派手なものはNG。男性なら腕時計程度、女性なら小ぶりなネックレスやピアス程度に抑えておきましょう。職業訓練後に問題なく就職できる。そこがゴールですから、あまりにも奇抜でTPOをわきまえない服装はNGです。
職業訓練の面接に行くときの持ち物
職業訓練の面接に持参するものが以下です。
- 筆記用具
- 応募票(写真が必要)
これだけですから忘れ物をしないよう、十分に注意しておきましょう。
職業訓練の面接官の人数&面接時間
面接官の人数ははっきりと決まっているわけではありませんが、だいたい2人体制で行われることが多いようです。
このページのまとめ
職業訓練の面接についてまとめましたが、だいたいの流れや質問内容は理解できたでしょうか。
職業訓練はコースによって倍率が高くなるので、面接でどんな話をするか?どんな態度で受けるか?がとても重要になってきます。もっとも大切なのは「就職したい!」という意気込み。
本ページを参考に、ぜひ面接対策を練って合格を掴んでいただきたいと思います。もちろん合格がゴールではなく、訓練を受けてスキルを身につけ、就職するのがゴールですから、ぜひ訓練も頑張ってくださいね。