ここでテーマにしているのは、職業訓練を受講した場合の履歴書の書き方です。
求職活動中、就職を有利にするために受講した職業訓練。この経験は履歴書に書けるのでしょうか?もし記入する場合は、どのように書いたら良いのでしょうか?
職業訓練を受けた人なら一度は悩むそんな履歴書の疑問を、このページでまとめて解決しましょう!
目次
職業訓練の履歴書の書き方
さっそく本題に入りましょう。職業訓練を受講した場合の履歴書の書き方について解説します!
職業訓練受講は履歴書に記載してOK
まず最初に悩むのが「職業訓練は履歴書に書けるの?」ということですよね。
これについては“記入してOK”です。
応募先の業種・職種にもよりますが、職業訓練でスキルを身につけたことは企業に対するアピールになります。
ただ全くの異業種に応募する場合、職業訓練を受けたことは評価にほとんど、もしくは全く繋がりませんし、そういった場合は記入しないほうが良いといった意見もあるようですが…せっかく職業訓練を受講したのだから記入しても問題はないという意見が多数派です。
記入するのは「学歴」欄?「職歴」欄?
履歴書にどう書くか?については厳密なルールがありませんが、ひとまず「学歴」ではないということは理解しておきましょう。
一般的に履歴書で言うところの「学歴」は、中学校、高校、高専、大学といった文部科学省が管轄する教育機関に関する経歴。
一方、「職歴」は厚生労働省が管轄する部分の経歴について記載します。
したがって職業訓練校を受講した経歴は、学歴の欄ではなく基本的に職歴の欄への記載になるのです。履歴書のフォーマットなどによって職歴欄に記入できない場合は(インターネット応募の場合など)、PR欄等を活用して記載しても問題ありません。
履歴書には職業訓練の正式名称が必要?
職業訓練を受講した経験が履歴書に記入できることはわかりましたが、ではどのように記入すれば良いのでしょうか?
記入について、一般的に多い意見として正式名称でなくても良いというものがあります。
例えば東京都が運営している職業能力開発センターのひとつで職業訓練を受けた場合…
- 正式名称 ⇒ 「東京都立中央・城北職業能力開発センター板橋校」
- 履歴書への記入 ⇒ 「職業訓練校」「職業能力開発センター」など
上記のように「職業訓練校」や「職業能力開発センター(または職業能力開発促進センター、ポリテクセンター)」と記載しても、ほとんどの場合、就職活動において困ることはありません。
むしろ「職業訓練校」と記載した方が、応募企業の採用担当者にも伝わりやすい場合もあるでしょう。
履歴書の職業訓練の記入例
次に履歴書の記入例を紹介したいと思います。
以下は履歴書の職業欄に記載する際の例。参考にしてみてください。
2012年 | 4月 | 株式会社〇〇〇〇 入社 |
印刷業 従業員数 127名 | ||
営業部に配属 新規開拓の提案営業に従事 | ||
2017年 | 2月 | 一身上の都合により退職 |
2017年 | 4月 | 職業訓練校 ネットワークプログラミングコース 入校 |
ソフトウエア開発、ネットワークプログラミング、システム設計などを学ぶ | ||
2018年 | 3月 | 職業訓練校 ネットワークプログラミングコース 修了 |
履歴書の書き方に正式なルールはありませんが、相手にいつどんな会社を退職し、どんな職業訓練をどれくらいの期間で受講したのかが明確に伝えられることが大切です。
ですから、職業訓練校について正式名称を省略しても構いませんが、どんなコース(科)を受講したのか?そして、どんなことを学んだのか?はしっかりと記入するようにしてくださいね。
履歴書の志望動機でも職業訓練について触れる
履歴書の経歴に職業訓練を受講したという内容を記入する場合は、必ず志望動機の欄にも職業訓練に関する内容を入れましょう。
経歴欄だけで職業訓練の内容や受けた動機を明確に伝えることは難しいので、志望動機の欄で職業訓練を通じてどんなスキルを身につけ、それを仕事にどう活かすことができるのか?しっかりとアピールしたいところです。
特に学んだスキルが応募先の企業で必ず必要になる場合であれば、強いアピール材料になるはず。採用される可能性を高めてくれるでしょう。
職業訓練を受講し、習得したスキルが活かせる就職先を探そうとする人は、向上心や行動力があると判断されることもあり好印象に映ることが多いので、ぜひとも有効活用したいものです。
もちろんそれだけで採用されるわけではありませんが、とにかくアピールできるものは全て応募先の企業に伝えることが大切です。
職業訓練受講を履歴書に書くメリット&デメリット
職業訓練の受講は履歴書に書いても問題ないとお話ししてきましたが、実は記入することによるデメリットもあります。
記入するメリットとデメリットを確認してみましょう。
メリット
応募した仕事にそのスキルが必要なのであれば、当然ながら職業訓練校に通った経歴はアピール材料になります。
また失業保険(雇用保険の失業給付)を受給している間に職業訓練を受講した場合、企業によっては計画性がある人材だと判断されることもあるでしょう。
もうひとつ大切なメリットが、空白期間を埋めるという点です。例えば履歴書に職業訓練校に入校していたことを記載しないとします。職業訓練は短いもので6ヶ月以内、長期の訓練だと1~2年になりますから、受講について記載しないとなると、空白期間(ブランク)が生じてしまいます。
無職で過ごした期間が長くなるほど、企業側の印象も悪くなる傾向にありますから、職業訓練受講についてしっかりと明記することは空白期間の理由を説明することに繋がります。
デメリット
職業訓練の受講が就職に不利になるといった意見もありますが…確かにそういった側面も持ち合わせています。
職業訓練を受けたからといって(受講したことを履歴書に記入したからといって)不利になることは基本的にありませんが、大切なことは「なぜその訓練を受講したのか?」「どんなことを訓練で身につけたのか?」「入社後にそのスキルをどう活かせるのか?」を伝えること。
それができなければ就職したくないから職業訓練に通っていたんじゃないか?と思われる場合もあるでしょう。また近年、失業保険の給付期間を延ばす目的だけで職業訓練を受ける人の存在が社会問題になっています。
そういった目を向けられないためにも、職業訓練で習得したスキルをしっかりとアピールしつつ、少しでも早く就職先を決めたいものです。
訓練修了予定&受講中の履歴書の書き方
例えばすでに職業訓練が終了している人なら、「〇年〇月 入校」「〇年〇月 修了」と記載できますが、例えば職業訓練の修了予定ではあるものの、まだ受講中という場合はどのように履歴書に記載すれば良いのでしょうか?
もうすぐ修了予定の場合の履歴書の書き方
そういった場合は「〇〇年〇月 職業訓練校〇〇コース 受講修了予定」というように履歴書に記入しましょう。
職業訓練校によっては受講修了予定を証明する書類を発行してくれる場合もあるので、入手できる場合は履歴書と一緒に提出するようにしてください。
まだ受講中の場合の履歴書の書き方
では職業訓練受講中の場合は、履歴書にどのように記載すれば良いのでしょうか?
受講中の場合は「〇〇年〇月 職業訓練校〇〇コース 受講中」と記載します。
職業訓練の目的は就職をするということですから、訓練と並行して求職活動をすることが望ましいとされています。したがって受講中に企業に応募するケースは多いので、そこはあまり気にせず、素直に記入するようにしましょう。
このページのまとめ
職業訓練を受講した人は、ぜひこのページを参考に履歴書を作成してみてください。
しつこいようですが、職業訓練が就職に不利になるか?有利になるか?は伝え方次第。
どういった動機で職業訓練を受講し、習得したスキルはどのように役立つのかをきちんとアピールできれば、職業訓練の受講は求職活動においてプラス要素になることでしょう。
ぜひあなたの想いや努力を履歴書に乗せてくださいね!